ハンガー作りは、人と人との出会いから始まった。 創業した父が木製ハンガーを手掛けたのは戦後。中国から復員し、家業の雑貨店の店番をしていた時、「ハンガーを置いてもらえないか」という人が訪ねてきた。それが後の専務(故人)だった。戦前に大阪でハンガー製造に携わり、故郷の豊岡市に帰ってからも自分で作っていた。父が大阪や神戸で行商をすると、仕立て業者によく売れ、集金に行って次の注文を受けたことがきっかけとなり、二人三脚でスタートした。 大学卒業後、洋服を飾るマネキンや棚などのリース会社に約4年間勤めた後、1981年に父の会社に入った。 リース会社では、大阪の百貨店担当の営業を経験。客の目を引きつけるために、商品棚やマネキンの配置方法などを学んだことで、ユーザーに必要とされるハンガーはどういうものか、わかるようになった。仕立て業者を相手に商売を始めたことで、アパレル業界での売り上げを伸ばしていけた。