「今後は『彼ら』とのつながりを絶ってほしい」 東京都暴力団排除条例の施行を間近に控えた9月下旬。東京・浅草にある「東京街商協同組合」の事務所を訪れた警視庁組織犯罪対策3課の幹部は、組合幹部に各地の指定暴力団の名前を挙げ、切り出した。 神社や地域の祭りに屋台などを出店する露天商(テキ屋)。テキ屋の業界団体である同組合に加盟する経営者は約220人、その下で働く関係者を含めれば約3千人にのぼる。 映画「男はつらいよ」の主人公、寅さんでなじみの深いテキ屋は、江戸時代から任侠(にんきょう)道の人たちが関わることで発展。神社の祭礼にも深く関わってきた。 時代が移るにつれ、任侠の性質は変わり、多くのテキ屋組織は暴力団化。地域住民が祭りで使った金が直接、暴力団の資金になるという構造を生んだ。 同組合の西村太吉事業部長(78)は組合に多くの現役組員がいることを認め、「(組脱退など)関係を絶たなくてはいけない