小型探査ロボットが23日に撮影した小惑星リュウグウの表面の画像。上部の白いものは太陽光=宇宙航空研究開発機構提供 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は27日、小惑星探査機「はやぶさ2」から小惑星リュウグウに投下された小型探査ロボット2台が撮影した新たな画像を公開した。表面は無数の岩や石に覆われ、ごつごつしている様子がはっきりと確認できる。 リュウグウ表面に21日着地した小型ロボット2台は、27日までに計100枚以上の写真を撮影し、はやぶさ2を経由してデータを地球に送信した。JAXAの吉川真・ミ…
模型を使って、ミネルバ2の分離運用や今後の接近運用について説明する津田雄一・はやぶさ2プロジェクトマネジャー(左)と久保田孝・宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所研究総主幹=相模原市の宇宙航空研究開発機構で2018年9月21日、永山悦子撮影 小惑星リュウグウを探査中の探査機「はやぶさ2」が搭載した小型探査ロボット「ミネルバ2」の2台が、世界初の快挙を成し遂げた。小惑星のような小天体上を自律的に移動することに成功したことが、22日に明らかになったのだ。公開された3枚のカラー画像には、人類が初めて目にする鮮明なリュウグウの表面、ジャンプして空中から見たリュウグウの風景、そしてはやぶさ2の機影が映っていた。初号機はやぶさでは失敗に終わった探査ロボットの成功は、惑星探査の歴史に新たな一歩を刻んだ。【永山悦子】
模型を使って、ミネルバ2の分離運用について説明する吉川真・はやぶさ2ミッションマネジャー(左)と津田雄一・はやぶさ2プロジェクトマネジャー。右は久保田孝・宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所研究総主幹=相模原市の宇宙航空研究開発機構で2018年9月21日、永山悦子撮影 探査機はやぶさ2は21日、小惑星リュウグウへ小型探査ロボット「ミネルバ2」2台の分離に成功した。同日開かれた記者会見で、津田雄一・はやぶさ2プロジェクトマネジャーは、計画通りに運用が遂行できたことを振り返り、「着陸に向けて大きな自信になった」と語った。記者会見の概要は以下の通り。(敬称略) --今回の分離成功について感想は。 津田雄一・はやぶさ2プロジェクトマネジャー 先代のはやぶさで起きたこと(2005年に探査ロボット「はやぶさ」を分離したが小惑星へ着陸させることができなかった)を十分に研究し、少なくとも同じようなことが起き
小型探査ロボット「ミネルバ2」を分離する約5分前に、探査機はやぶさ2が撮影した小惑星リュウグウの画像。探査機はやぶさ2の影がくっきりと映っている=宇宙航空研究開発機構、東京大など提供 小型探査ロボット「ミネルバ2」の2台の分離に成功した探査機「はやぶさ2」は21日、小惑星リュウグウから約55メートル付近まで接近した。その際、リュウグウ表面に、はやぶさ2の影がくっきりと映し出された。今月中旬に実施した着陸リハーサルでも影が確認されたが、その際は小さな黒い点でしかなかった。 はやぶさ2は大きな太陽電池パネルが機体の左右についている。高度400~500メートルで撮影した画像から太陽電池パネルの形の…
探査機「はやぶさ2」が小惑星リュウグウの上空635メートルから撮影した画像。左の明るい部分にある黒い点がはやぶさ2の影と分かった=2018年9月12日午後0時58分、宇宙航空研究開発機構、東京大など提供 小惑星リュウグウへの着陸リハーサルの際、探査機「はやぶさ2」が撮影した小惑星表面の画像に、はやぶさ2自身の影が写っていたことが分かった。リハーサルは高度600メートルで中止されたが、その直前の高度635メートルでの画像に写っていた。吉川真・はやぶさ2ミッションマネジャーは「今回の旅で初めて『はやぶさ2を見た』ことになる。プロジェクトチームのメンバーは皆喜んだ」と話す。
探査機はやぶさ2が小惑星リュウグウの着陸候補地として選んだ「L08」地点。残りの2カ所はバックアップで選ばれた地点=宇宙航空研究開発機構、東京大など提供 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は12日、探査機「はやぶさ2」が小惑星リュウグウの表面近くへ降下する途中、高度600メートルで表面までの距離を計測できなくなり、降下を中止したと発表した。炭素が多く存在するリュウグウは表面が真っ黒で、レーザー光を当てて距離を測る機器がうまく働かなかったとみられる。JAXAによると、はやぶさ2の状態は正常で、今後、計測機器の設定を変えるなど降下手順の見直しを検討する。 10月下旬に予定している着陸のリハーサルとして実施された。今回達した高度は、これまでで最も低い(これまでは851メートル)。到着後の観測でリュウグウの表面は一面が岩塊(ボルダー)で覆われ、広くて平らな場所がほとんどないことが分かった。このため、
探査機はやぶさ2が小惑星リュウグウの着陸候補地として選んだ「L08」地点。残りの2カ所はバックアップで選ばれた地点=宇宙航空研究開発機構、東京大など提供 小惑星探査機はやぶさ2が11日午後、小惑星リュウグウへの着陸リハーサルを開始した。リュウグウの表面から30メートルまで降下し、運用手順のチェックや表面の状況の情報収集をする。成功すれば、これまでで最も低い高度になる。最低高度に到達するのは12日午後2時ごろの予定。 はやぶさ2は6月27日、リュウグウの上空20キロに到着。高度を下げたり移動したりして、リュウグウ表面の撮影や重力の測定、表面物質の特徴の分析など、詳細な観測を続けてきた。 はやぶさ2の着陸地点は、直径100メートルの範囲内に高さ50センチ以上の岩などの障害物がないことが条件。はやぶさ2は機体上部の左右に太陽電池パネルがあり、大きな物体があると着陸時にパネルが壊れる恐れがあるため
はやぶさ2に搭載するミネルバ2の1(右)と、はやぶさに搭載されたミネルバ(左)の違いについて説明する吉光徹雄・宇宙航空研究開発機構准教授=東京都千代田区で2018年9月5日、永山悦子撮影 リュウグウ9月21日着陸 開発の吉光JAXA准教授らに聞く リュウグウを探査する「はやぶさ2」は13年前の失敗を取り戻せるか--。9月21日、はやぶさ2は小型探査ロボット「ミネルバ2」のうち2台をリュウグウへ着陸させる計画だ。開発した吉光徹雄・宇宙航空研究開発機構(JAXA)准教授は「ロボットがやることだから意気込んでも仕方ない」と冷静だが、初号機「はやぶさ」は2005年、同様のロボットを小惑星へ着陸させることに失敗した。「今度こそ、ロボットが小惑星の表面を間近から撮影した画像が届いてほしい」と期待が膨らむ。【永山悦子】 ミネルバ2には、JAXAが中心となって開発した「ミネルバ2の1」の2台と、東北大など
衛星だいち2号が地震前と地震後に撮影した画像を合成した、北海道厚真町吉野地区周辺。土砂崩壊が起きた森林を赤色で、崩れた土砂や樹木が積もっている部分を水色で示している=JAXA提供、共同
宇宙航空研究開発機構(JAXA)を巡る汚職事件で、東京地検特捜部が、文部科学省の戸谷一夫事務次官(61)から任意で事情聴取したことが関係者への取材で明らかになった。特捜部は既に、収賄容疑で逮捕した同省前国際統括官の川端和明容疑者(57)以外の幹部複数人からも接待を受けたかどうかなどについて任意で聴取しており…
高度を下げる運用を開始、詳細観測へ 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は19日、小惑星リュウグウに到着した探査機はやぶさ2が、初めてリュウグウへ向けて高度を下げる運用に取り組んでいることを発表した。今秋以降の着陸に向けて、リュウグウを詳細に観測する。また、これまでの観測でリュウグウの表面が、これまで地球へ落ちてきたどの隕石(いんせき)とも異なる特徴があることも分かったという。【永山悦子】 はやぶさ2は6月27日、小惑星リュウグウの上空20キロに到着。カメラなどによる観測を開始した。初の降下は今月17日に始まり、20~22日の間に高度6キロまで迫る計画だ。19日時点で高度約13キロまで降下している。最も低い高度6キロ地点で、リュウグウ表面の詳細観測に取り組む。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は19日、小惑星りゅうぐうの上空20キロに滞在している探査機「はやぶさ2」の観測で、りゅうぐうの表面に大きさ130メートルの大岩を確認したと明らかにした。 JAXAによると、りゅうぐうの大きさは900メートル程度。サイズに比べて大きな岩塊があることから、りゅうぐうは、より大きな天体が壊れ、その破片が集まってできた可能性があるという。 はやぶさ2は6月27日にりゅうぐうに到着。搭載機器の状態を確認し、本格的な観測に乗り出した。 これまでの観測で、りゅうぐうは赤道付近が横に張り出した、そろばんの玉のような形と判明した。(共同)
林芳正文部科学相は13日の閣議後記者会見で、国際宇宙ステーション(ISS)に物資を届ける無人補給機こうのとり7号機を、9月11日に種子島宇宙センター(鹿児島県)からH2Bロケットで打ち上げると発表した。 小型回収カプセルを積み、ISSで宇宙実験の試料を入れて持ち帰る。地球に戻った7号機はほぼ燃え尽きるが、カプセルは海上から回収する計画だ。 このほか生鮮食品、生活用品など最大6トンの物資を届ける。(共同)
私は、はやぶさ2の先代「はやぶさ」のときから取材してきた。初めてきちんと取材したのは、2005年秋の小惑星イトカワへの着陸運用だ。その際、太陽の反対側の3億キロも離れた場所で頑張る探査機の一挙手一投足が、ほぼリアルタイム(注)で手に取るように分かることに驚き、宇宙探査取材のとりこになった。 そのリアルタイムの発信に一役買ったのが、当時流行していたブログだった。プロジェクトチームの広報担当者がブログ管理人を務め、日本語と英語で管制室の様子(はやぶさの状況、メンバーの議論の様子など)が紹介され、インターネットを通じて世界へ「実況中継」された。2回の着陸の際に開設されたブログのアクセス数は、約100万件に上ったという。 はやぶさが10年に地球へ帰還する際は、プロジェクトにかかわる若手研究者3人がツイッターで情報発信した。現場で把握された情報を発信したほか、はやぶさの現状やプロジェクトチームの様子
宇宙航空研究開発機構(JAXA)の西山和孝准教授。左の装置でイオンエンジンの耐久試験が行われている=相模原市中央区のJAXA相模原キャンパスで池田知広撮影 JAXA西山和孝准教授「とことんやり尽くした」 宇宙航空研究開発機構(JAXA)の小惑星探査機「はやぶさ2」が、大きなトラブルなく地球から32億キロの旅路を経て小惑星リュウグウに到着できた立役者は、主エンジンのイオンエンジンだ。先代のはやぶさに続きイオンエンジン開発に携わったJAXAの西山和孝准教授(47)が「そう簡単には壊れない」と胸を張るエンジンの実現には、次世代大型エンジンの開発で培った技術が生かされた。 「手を動かし、モノを動かす時間に比例して自信が付く。往路完走は当然、できると思っていました」。往路を走り終えた西山さんは冷静だった。はやぶさでも管制室に入り、探査機の指令データを作成する「スーパーバイザー」を務めた西山さん。7年
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