小説「氷壁」と「松濤明」等 私は、小説『氷壁』から『ザイル事件』と『松濤明』から終戦後の登山者等の生き様を見たくなった。 [氷壁の舞台] 『氷壁』の舞台となった前穂高(3090m)の東壁は、戦前から登られていたが、その当時のルートは、「北壁〜Aフェイス」と「CBAフェイス」しかなかった。 北壁〜Aフェイスは、『改訂日本の岩場(白山書房)』に、昭和12年山崎次夫と内山秋人が松高カミンルートを最初に登った。とある。 また『日本の岩場(山と渓谷社)』には昭和7年伊藤新一、伊藤収二とある。 CBAフェイスは、昭和6年國塩研二郎、内山秋人氏ら5名が最初に登った。 北壁は無雪期は昭和7年に、積雪期は昭和15年の3月春田和郎、久留健治が初登攀している。 昭和32年になり古川純一と久保田進が開いた右岩稜古川ルートをS36年3月森田昇三、三井利安が、Dフェイスは昭和34年法政大学