2005年05月10日21:34 カテゴリ書評/画評/品評Media 鼎の軽重 - 書評 - クルマを捨てて歩く! 航空機事故や列車事故では、運行にあたる会社が糾弾から免れることはない。これが自動車事故となると、それがほぼ絶無だ。たとえばトヨタを、「尼崎列車事故の倍の人々を、この国だけで毎月鬼籍に落とす会社」と弾劾する人がほとんどいないのはなぜだろう? クルマを捨てて歩く! 杉田 聡 私が知る限り、こうした視点を自動車に向けるのは、「オールドメディア」ではこの著者ぐらいしかない。もう一つ「交通死」も自動車事故に関する良著であるが、こちらは実際に著者の娘さんが犠牲が出発点ということもあって、実情に関する描写はより緻密だが、社会的視点は杉田氏の著書に一歩譲るといったところである。 もし、我々が「面白くなければテレビじゃない」と完全に割り切ってしまえば、これは問題とは言えないだろう。一つ一つの自