2012/6/1510:4 ポスト成長期の盛り場―歌舞伎町キャッチのエスノグラフィー 開沼博 開沼博氏 『「フクシマ」論』(青土社)で一躍脚光を浴びた開沼博氏。しかし、彼を駆り立てるのは「原発」への倫理や道徳ではなく、徹底的な事実と取材が可能にする社会への関心に他ならない。歌舞伎町を舞台にしたキャッチたちのリアル。論考掲載を期にお話を伺った。(聞き手・構成/ 大島遥平) ■現代社会をより立体的に見るために ―—キャッチのフィールドワークは2009年から始めたということですが、どれくらいの期間やっていたのでしょうか? 開沼 2009年、2010年の丸2年間くらい、極めて断続的にやっていました。平均で一か月に4、5日くらいでしたが、一番多かったのは、キャッチの人が家がなくて僕の家に一緒に住んでいた時ですね。その時は彼に毎日報告をしてもらっていました。僕の6畳の部屋に2人で住んでいたんですね(笑