2009年スタートの新連載は、「柴田鉄治のメディア時評」です。 その月に書かれた新聞やテレビ、雑誌などから、 ジャーナリスト柴田さんが気になったいくつかの事柄を取り上げて、論評していきます。 しばた てつじ 1935年生まれ。東京大学理学部卒業後、59年に朝日新聞に入社し、東京本社社会部長、科学部長、論説委員を経て現在は科学ジャーナリスト。大学では地球物理を専攻し、南極観測にもたびたび同行して、「国境のない、武器のない、パスポートの要らない南極」を理想と掲げ、「南極と平和」をテーマにした講演活動も行っている。著書に『科学事件』(岩波新書)、『新聞記者という仕事』、『世界中を「南極」にしよう!』(集英社新書)ほか多数。 今月は、メディアに関して論じるべき事件がいろいろとあった。沖縄返還時の日米密約を問う裁判をはじめ、週刊新潮による『朝日新聞襲撃犯報道』、日本テレビの「バンキシャ」番組『虚報』