既存のリチウム(Li)イオン2次電池の性能向上に対する閉塞感が高まる中、Liイオン以外の電池内キャリアを用いる2次電池技術に注目が集まっている。その代表例がナトリウム(Na)イオンを用いた2次電池(NIB)だったが、ごく最近になって、カリウム(K)イオンを用いた2次電池(KIB、またはPIB)にも脚光が当たり、論文数が急増している(図1)注1)。 Kイオン2次電池やKイオンキャパシターについての年間論文数の推移。2004年にイランの研究者が正極にプルシアンブルー、負極にK金属を用いた2次電池を発表したが、10年以上顧みられなかった。2015年に東京理科大学の駒場研究室が、負極にグラファイトを用いて、LIBと同様なインターカレーションで動作するKイオン2次電池(KIB)を提唱。2017年には、この負極とマンガンを一部含むプルシアンブルー正極で4V級のKIBを開発した。これらの研究によってKI