世の中は、アービトラージ(裁定取引)であふれている。 人類の歴史は、アービトラージの歴史であった、といっても過言では無いかもしれない。 本来アービトラージとは金融の世界における裁定取引(さや抜き)のこと、ある財が東京で80、シンガポールで90で取引されているなら、東京で買ってシンガポールで売る。現在100で取引されていて、先物に90の値段が付いているなら、先物を買って現物を売る。 それが典型的なアービトラージだ。 もっとも現在はそんな「ウマイ話」はそれほど転がっているわけではない。 それどころか、アービトラージは急速な勢いで、この世から無くなろうとしている。 なぜ昔にくらべ、裁定取引の機会が減ったのか? 答えは簡単、世界中で起こっている情報の非対象の解消(均一化)である。 裁定取引は情報の非対称、つまりある人は知っていて他方は知らない、という状態により生まれる。そしてこの20年弱、驚異的な