“KAIZEN(カイゼン)”は、今や世界共通語と言っていいだろう。トヨタの効率的な生産方式を象徴する言葉で、日本語のままで世界に広がっているのだ。システムの方法論を確立したのが、大野耐一である。彼の著書『トヨタ生産方式―脱規模の経営をめざして―』は1978年に出版されてから今も版を重ねており、生産管理者のバイブル的存在であり続けている。トヨタ生産方式は全世界で採用され、生産効率向上に役立てられている。1988年に英語版が出版されて以降、さまざまな言語に翻訳され、世界中に影響を与えているのだ。 大野によると、トヨタ生産方式の柱は2本ある。「ジャスト・イン・タイム」と「自働化」だ。2つの考え方を組み合わせることで、トヨタ生産方式の基本思想である“徹底的なムダの排除”を実現できるというのだ。理論をまとめ上げたのは大野だが、彼によるとどちらにも発想の源流には先人の言葉と実践があったという。トヨタ自