楽天 延命 楽天グループは「解体危機」を切り抜けたのだろうか。米国の金利低下の追い風により米ドル建て債の発行に成功し、通信設備の「セール&リースバック」という“奇手”で当面の運転資金を確保して財務のピンチを乗り切ったかに見える。さらに巨額赤字を垂れ流してきた楽天モバイルは順調に契約を拡大させている。だが、経営の内情は安泰ではない。携帯電話事業の黒字化は予断を許さず、借金先送りで利払い負担は増加しており“綱渡り”が続く。一時の「延命」を果たした楽天が今なお直面する危機の実態に迫る。 バックナンバー一覧 楽天グループの巨額赤字を生み出してきた携帯電話事業「楽天モバイル」の回線数が急速な伸びを見せている。そのけん引役とされるのが、契約者に最大1万4000ポイント分の楽天ポイントを付与する“三木谷キャンペーン”だ。社内では「一致団結プロジェクト」という呼称でグループ全社員が総出で契約獲得に攻勢を掛