沖縄の新聞は偏向している──。 そうした物言いを目にする機会が増えてきた。 昨年、「偏向」を理由に、「沖縄の新聞はつぶさないといけない」と自民党の学習会で発言したのは作家の百田尚樹氏だった。 最近では自民党の神奈川県議・小島健一氏による「基地外」発言が物議を醸しているが、同発言に続ける形で、やはり「沖縄には明らかにおかしな新聞がある。本当に潰れた方がいいと思う」などと持論を展開している。 もちろん、いまに始まったことではない。 ある沖縄紙の記者は私の取材にこう答えた。 「結局、いつだってそうなんです。沖縄で何か問題が発生し、それが政府の思惑通りに進まないと、必ずといってよいほど同じような言説が流布される。つまり、自らの危機感を沖縄の新聞批判にすり替えることで、民意を矮小化するという手だてです」 相次ぐ米軍兵関連の犯罪、地元の反対によって膠着状態が続く辺野古新基地建設問題は、まさに政府の「危