太古の火星に海が存在したという仮説について、その問題点を解決できる新たなモデルが提唱された。火星の海はこれまでの推定よりも数億年早く形成され、水深も浅かった可能性がある。 【2018年3月26日 カリフォルニア大学バークレー校】 火星には太古の海に侵食されて作られたと考えられる海岸線のような地形がいくつも存在しており、かつて火星に海が存在した証拠だと考えられている。一方で現在の火星に存在する水の総量が少なすぎることから、海はなかったとする研究者もおり、海の存在に関する見解は分かれている。 火星の極地方には極冠という形で水の氷が少し存在しているが、これだけでは海と呼べるほど広い面積を覆うにはとても足りない。したがって、もし太古に海があったとすれば、その水は今では地下の永久凍土となっていて、残りは宇宙空間に散逸したことになる。しかし、現在の永久凍土に含まれる水の量と宇宙に逃げた水の推定量を合計