プライマリのターゲットをスマートフォンとし、そこで気持ちよく読めるコンテンツの形を選択肢として用意しようとしているアドビの「Adobe Publish」。さて、これは正しい選択だろうか? アドビ システムズが電子出版ソリューション「Adobe Digital Publishing Suite」(Adobe DPS、以下DPS)を発表したのは2010年10月のこと。当時、同ソリューションを用いて制作された「WIRED」などのデジタル雑誌の登場に、未来の雑誌の姿を垣間見たという方も少なくないだろう。 それから数年。DPSを導入する企業は広がった。国内では小学館の採用事例がよく取り上げられるが、グローバルでは出版以外の業界でも採用が進んでおり、国内でもNTTドコモ、リコー、キヤノンなどの企業や、内閣府政府広報室のように官公庁での採用もみられる。 そんな中、この2月にJEPAがアドビと小学館を招い
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── いまこそもう一度、電子出版に真正面から立ち向かうときだと思っています。 7月1日に行われた記者発表会で、株式会社ボイジャー 代表取締役 鎌田純子氏は述懐を込め、このような挨拶をしました。この日、池澤夏樹氏の作品の電子化・販売をボイジャーが手がけることの発表と同時に、電子出版Webサービス「Romancer(ロマンサー)」が一般公開されました。2011年に導入した「BinB」ブラウザビューワが「いつでも誰でも簡単に電子の本を読める仕組み」なら、Romancerは「簡単に作る」役割を担っています。池澤氏とのプロジェクトでも使用しているとのことです。 Romancerは、昨年の国際電子出版EXPOの時点でクローズドβ版が公開されていましたが、正式版の公開で何が変わったのか、他社のサービスとは何が違うのか、そしてどのようなビジネスモデルにするのかを私は注目していました。鎌田氏は、ボイジャーが
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