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小説に関するmasarin-mのブックマーク (9)

  • 第四話 「会社を辞めた日のこと」~ Revolution 9④ - 人生で迷っている人たちの短編集(まさりん) - カクヨム

    貧血が少し収まった。ふらつきは少し緩和された。 だが、頭のなかで「ナンバーナイン」の声は続いている。 全身が梅雨の小糠雨(こぬかあめ)で濡れそぼっていた。 道路にひっくり返っていた傘を拾った。 このままだとさすがに風邪を引くと思った。 やがて駅の前にあるロータリーに差し掛かった。老人のようにゆっくりと歩いていたからか、やたら時間がかかった気がした。時間がかかったせいで、濡れそぼった身体はすっかり冷え切って、少し前から首や肩に悪寒(おかん)が走っていた。このままでは確実に風邪を引く、そんな予感がした。 ロータリーの上空には巨大な歩道橋が架かっていた。歩道橋を使うとロータリーをぐるりと回らなくても、JRの駅舎と、私鉄の駅とデパートを兼ねた建物にまっすぐ行ける。歩道橋の下に緑色の車体のタクシーが何台も停まっていた。平日の昼前にタクシーを使う人間はそれほどいないのだろうか。元々雨雲が空にかかってい

    第四話 「会社を辞めた日のこと」~ Revolution 9④ - 人生で迷っている人たちの短編集(まさりん) - カクヨム
  • 第2話 「雑踏」3 - 人生で迷っている人たちの短編集(まさりん) - カクヨム

    やがて僕たちの短い旅の目的地の前に到着した。山野楽器である。ここでシホがナカムラにギターを買い、ついでにイルミネーションでも見ようとここまでやってきた。CD売り場である一階を尻目に四階のギター売り場へとエスカレーターに乗った。エスカレーターは片道で、帰るときは階段を降りなければならない構造になっていた。 四階に着く。エスカレーターの終点はフロアの中央に位置している。僕たち三人は、クラシックギターやアコースティックギターを眺めつつ、手前奥にある、エレキギター売り場へと向かう。 売り場の奥から、ギターをチューニングするハーモニクスの音が聞こえた。壁際にある通路の手前の床には所狭(ところせま)しとエレキギターとベースが並んでいる。壁と中央にはガラスのショーケースが並ぶ。床に立っているのは比較的廉価なギターだ。ケースのなかには数十万円のギターが並んでいる。奥では五十歳くらいの中年男性による試奏(し

    第2話 「雑踏」3 - 人生で迷っている人たちの短編集(まさりん) - カクヨム
  • 「わたしたちが孤児だったころ」カズオ・イシグロ - 読書の栞

    カズオ・イシグロは2017年にノーベル文学賞を受賞した作家だ。日人としてはノーベル文学賞と聞けば、村上春樹が頭に浮かぶ。カズオ・イシグロは村上春樹の弟分を辞任していたと思う。 今回、初めて作品を読んだ。ウィキペディアで見てみると、非常に寡作な作家だ。 「日の名残り」で89年にブッカー賞を取っている。ブッカー賞とは英語圏最高の文学賞だ。 さて、概略をあまり書いても仕方がない。作品に触れよう。 主人公は、クリストファー・バンクスという探偵だ。 昔、上海の租界で暮らしていた。租界とは、複数の国家が共同で管理した治外法権の租借地だ。ややおおざっぱだが、イギリスや複数国家の植民地をイメージすればいい。 クリストファーは上海で一人の日人と出会う。それはアキラという名前の同年代の少年だ。子どものとき、お隣さんということもあり、アキラとは濃密な友人関係を結ぶ。だが、クリストファーの父が失踪し、その後母

    「わたしたちが孤児だったころ」カズオ・イシグロ - 読書の栞
    masarin-m
    masarin-m 2018/04/18
    そろそろ、骨太の小説を読みませんか。そんな人におすすめの一冊です。
  • いったいどこに--十分日記153 - 今日の十分日記

    このブログは日記を書くのを目的としているので、今考えていることをそのまま書けば良いのである。しかし無意識に文章を形成しようと思ってしまうので、無自覚に文章に形成しやすいネタを探してしまう。 今、自分が書いた小説をどこに出そうかと言うことで迷っている。書き上げたのは4月1日なので、5日間書き直しながら迷っている。たかだか30枚の小説なのだからそれほど迷う必要はないのである。30枚は少ないのでコンテストには出しづらい。 文章に形成しやすい状態とは、今回の例で言えば「どこどこに小説を出した」というネタである。何に期待をして、どこに小説を出した、という方が文章が書きやすい。 迷う理由はやはり自分の文章と毛色の合う所というのがなかなかないからだ。 「小説家になろう」は1番有名なサイトであるが、ラノベ的な傾向が強い。というより、カクヨムでも、エブリスタでもそうだ。 別に私はラノベを書きたくないとか、二

    いったいどこに--十分日記153 - 今日の十分日記
    masarin-m
    masarin-m 2018/04/06
    どうしようかな
  • ネット小説では純文学に居場所がないということを改めて知った | 蓼食う本の虫

    前回寄稿した『「文芸誌連載小説のスマホ無料公開」から考える純文学の「流通」について』という記事の特に前編が広く読まれたというのはとても有り難いことだった。というわけで前回同様に、今回もとある記事における純文学の「語り方」を検討することで純文学の現状を穿り出す、という遣り方をやってみたいと思う。というわけでまずは下記①の記事をお読み下さい。 ①「書きたい人1000万人」ネット小説は鉱脈 投稿、倍々ゲーム 評価見ながら執筆も https://mainichi.jp/articles/20170926/dde/012/040/003000c?utm_content=buffer22fe1 この記事は「小説家になろう」について言及した記事である。それ故に、前回と違って今回はアマチュア小説書き達の状況についての考察となる。特にアマチュア純文学書きが知らず知らずに巻き込まれている純文学の「流通」状況を

    ネット小説では純文学に居場所がないということを改めて知った | 蓼食う本の虫
  • ネット的な文章ーー十分日記145 - 今日の十分日記

    語が大きく変化した時期がいくつかある。 有名なのはもちろん近代化、明治維新の前後である。 文学がもっとも変わったのだが、文語体から口語体になった。いつも使っている平易な言葉で表現するようになった。夏目漱石は口語体で書くことが多いが、森鴎外は口語体でも書く。 国民全員が使える共通語を半ば強引に作った。その当時、その共通語で話している人はいなかった。東京の人でも共通語で話していなかったらしい。大阪の人が、東京の人が話す言葉を半ば嘲るために「東京弁」と表現するが、当たっている。 明治維新より昔、大きな変化があったのは平安時代から鎌倉時代だ。 他の時代にあったかもしれないが、私は知らない。 平安時代の言葉、文字は、京都の貴族が使っていたもので、一部の人間だ。 それから武士の時代になり、貴族の時代よりも簡略化された表現をしないと、武士には使えない言語をは次第に廃れて行かざるをえなかった。劇的に変

    ネット的な文章ーー十分日記145 - 今日の十分日記
    masarin-m
    masarin-m 2018/03/21
    ネットにも美しい文章の書き方があると思うのだが。自然とそうなっていくといいなあ。
  • 短編小説ーー十分日記138 - 今日の十分日記

    例によって短編小説を書いた。「短編小説の集い」のお題では無いので、字数は「同じくらい」という緩さで書いた。 小説を書くときに使用するというのはチャレンジしていないが、ブログの記事を書くときによく「音声入力」、「音声認識」を利用する。下書きなどそれで行うと非常にスピーディに文章を作成できる。 音声入力系の機能は、アップル系ならSiri、マイクロソフトならコルタナ、グーグル系ならグーグルが処理している。処理と同時に多くのサンプルを得ているのだろう。 これらのソフト、私が使うのは軒並み精度が低い。特にマイクなしのノートパソコンでコルタナという組み合わせが一番最悪だ。Siriでも精度が低い。 「きっと不良品をつかまされたのだ」 とはじめ思っていたのだが、原因はここのところの慢性的な鼻炎にあった。鼻づまりの声は認識精度が著しく落ちるのである。 今回の課題は「monogatary.com」というサイト

    短編小説ーー十分日記138 - 今日の十分日記
  • 電気仕掛けのペットロス|まささん

    店は「雪の下」といった。大通りと土産物屋が立ち並ぶ通りに挟まれた場所に立っていた。 ふたつの通りは観光客が一年中あふれている。並んでいるべ物屋も、古い店はそれなりの価格設定になっている。だが、新しい店や通りから奥に引っ込んだ店は、それなりにリーズナブルな価格になっている。店によっては、リーズナブルな店の倍の金額を取る店もある。 舞が初めてこの店に来たころ、彼女はこのあたりで働きたくて、働き口を探していた。母親のいる老人ホームがこのあたりにあるからだ。舞の母親は、クセのある母親らしく、最後死ぬときはこのあたりが良いと言い張って、勝手に老人ホームに入所した。もちろん、費用は舞が持った。急に言い出すので、夫が死ぬときに残した生命保険は使い果たした。日の慣習的に、老人ホームに入ったからといって、全く放っておくわけにはいかない。我ながらため息が増えたと思うのだが、断ち切れぬものは断ち切れぬものと

    電気仕掛けのペットロス|まささん
    masarin-m
    masarin-m 2018/03/01
    新作小説。本当は先月分として出したかったけど、一日遅刻。外国人が多く訪れる喫茶店。未來のペットロスのお話、
  • 「空也」 - 読書の栞

    masarin-m
    masarin-m 2018/02/12
    知らないことを知るのは楽しい。
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