8月30日に金融庁から平成20年度税制改正要望が公表されるなど、年末の税制改正に向けた証券・金融税制の議論が活発化してきている。個人金融資産のうち株式や投資信託といったリスク資産の占める比率は上昇しつつあるもののまだ10%程度に過ぎず、50%を超える現金・預金に比べるとまだまだ低い。いわゆる「貯蓄から投資」は道半ばである。 さらに株式の場合、配当については法人と個人の段階での二重課税が問題となる。しかし二重課税は配当だけでなく、株式の譲渡益についても生じている。法人段階で課税後の利益が内部留保されそれが株価に反映される。その結果、株主が譲渡する際には当該内部留保が株価を通じて実現するからである。即ち株式から得られる利益(配当・譲渡益)の法人・個人を通じた税負担は、法人段階では課税されない(損金算入)利子と比べて重くなる。単純に個人の段階で税率を揃えれば、利子、配当、譲渡益の課税のバランスが