中国国務院(中央政府)は6月3日、「省エネ・汚染物質排出削減総合活動計画」(以下、総合計画)を公表した。このなかで特筆されるのは、[1]政府幹部や企業経営陣の政績(昇進・昇格の考課表である政治的成績)評価項目の中で、省エネ・汚染物質の排出削減を最重視するとしたこと、[2]部門・分野ごとに2010年までの省エネ・汚染削減の具体的な数値目標を発表し、抑制分野と奨励分野を明確に区分したことである。当コラムでは、前半部分についてコメントしたい。 まず、総合計画では、第11次5ヵ年計画(2006年~2010年)で重要目標として掲げた、(1)単位GDP当たりのエネルギー消費量を2005年比で20%削減する、(2)主要汚染物質の排出量を同10%削減する、との目標の達成が極めて難しいことを指摘。5ヵ年計画の初年である2006年の目標(それぞれ4%削減、2%削減)はいずれも未達成に終わった。この背景には、地