■金融政策 私の視点 ――唐鎌さんは為替市場が専門です。日本銀行の金融緩和がもたらしている影響をどう見ていますか。 「株と不動産をはじめとする資産価格が上がっているのが、唯一にして最大のメリットだろう。株高は海外展開をしている企業の円建て収益が増えたことが原因だが、必ずしも賃金として雇用者に還元されているわけではない。企業は2005~07年の円安バブルと言われた局面で国内回帰を進め、その反動で苦しんだ教訓を忘れておらず、円安になったからと言って国内に資源を集中させようという気持ちにはなりにくい」 「円安により輸入物価が高くなって、国内の物価は着実に上がっているため、人々の実質的な所得が悪くなっている。適正な水準がない為替の世界で、今の円安水準が良いか悪いかと言う議論は簡単に割り切れないが、少なくとも家計が疲弊しているのだから、その点だけ捉えれば『悪い円安』だと言える」 ――とはいえ消費増税
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