今日まで30年以上に亘って超弦理論の飛躍的進化の過程において指導的役割を果たすことで理論物理に貢献しただけでなく、物理的直感と数学的技法を発揮して新しい数学を開発することによって多くの最先端の数学者の研究を触発した。その功績は他に類がなく傑出したものである。 場の量子論と弦理論の発展の歴史は、一般相対性理論と量子力学の折り合いという問題から出発して微視的素粒子論から巨視的宇宙論に及ぶ、すべての力学を統一する理論を夢みた多くの才能溢れる科学者達が多彩に活躍する壮大なドラマである。新しい素粒子の発見、さらに革新的な力学理論を追求する研究の魅力は格別である。その発展の過程で、特に過去30年に亘ってエドワード・ウィッテン博士が果たした役割は他に類がなく、大きい。 1984年の「第一次超弦理論革命」と呼ばれる超弦理論の大きな進展において、ウィッテン博士によるゲージ場や重力場におけるアノマリーの幾何学