『ごん狐』(ごんぎつね)は、新美南吉作の児童文学。小学校国語教科書の教材の定番ともいえる作品である。一般に流布しているバージョンは鈴木三重吉による編集が施された版である。 新美南吉の代表作で、18歳の時に発表した。初出は雑誌『赤い鳥』1932年1月号。作者の死から半年後の1943年(昭和18年)9月に刊行された南吉の第3童話集『花のき村と盗人たち』(帝国教育会出版部)に収録された[1]。 新美南吉の草稿には彼の出身地である愛知県知多郡半田町(現在の愛知県半田市)岩滑(やなべ)地区を流れる矢勝川の現地名「背戸川」が登場しており[2]、隣の阿久比町にある権現山を舞台に書かれたといわれている[要出典]。全体は筆者が村の老人から聞いた話という体裁をとっており、「城」や「お殿様」(草稿では「徳川様」[2])、「お歯黒」といった言葉が出てくることから、ごんと兵十の物語の舞台は幕末から明治ごろと考えられ