5月20日に実写映画が公開となる辻村深月の小説『ハケンアニメ!』(マガジンハウス)は、季節だとか年間といったスパンで売上げがトップとなる"覇権アニメ"の座を狙い、アニメの作り手たちがぶつかり合うバトル物かというとまったく違う。「ハケンアニメ?」と最後の記号を変えたくなるくらい、売上げ至上の風潮に疑問を示し、作り手たちが至高のアニメを探求する、熱い業界ストーリーになっている。 映画『ハケンアニメ!』の予告編で、「私、負けません。全部勝って覇権を取ります」と叫ぶ吉岡里帆演じる女性が斎藤瞳。アニメ制作会社最大手のトウケイ動画に所属する演出家で、初のテレビシリーズ監督作『サウンドバック 奏の石』(『サバク』)の制作に取り組んでいる。 もうひとり、予告編の中で尾野真千子が演じるプロデューサーの有科香屋子に殴られ、「親父にもぶたれたことないのに」とロボットアニメの名セリフを引用している青年が王子千晴。
