連載の1~3回では、ブロックチェーンの新規性、社会で成し遂げたこと、抱えている課題について、それぞれの著者の視点から解説した。 本稿では、ブロックチェーンへの理解をさらに深めるため、ビットコイン、イーサリアム(Ethereum)を例にとり、「履歴蓄積システム」としてのブロックチェーンの基本的な動作を紹介したい。 履歴蓄積システムとしてのブロックチェーンには、論理的に3種類の役割がある。履歴となるデータを生成する「データ生成者」、履歴データを管理する「データ管理者」、履歴データを参照する「参照者」である。 さらに、データ生成者が生成するデータのうち、何が履歴としてふさわしいのかを決める「ルール」が事前に存在し、これがブロックチェーンの仕様となる。 この履歴蓄積システムに対し、外部から求められる要件は明快だ。「正当なデータ生成者からのデータのみを履歴とする」、「一度記録された履歴が改変されない