◇一部公安委、連携に「待った」 救急車だけでなく、より現場に近い消防分署からもポンプ車を出動させ、先着した方が救命処置を始める「PA連携」と呼ばれるシステムを巡り、「消防車の目的外使用で道路交通法違反」と県公安委員会から物言いが付くケースが出ている。市民からの救急車出動要請に迅速に対応するための措置だが、実施を断念する消防本部もあり、総務省消防庁が実態調査に着手した。【合田月美】 ◇消防庁実態調査へ 同庁によると、PAはポンプ車と「アンビュランス(救急車)」の頭文字。ポンプ車には救急救命士などの資格を持つ消防隊員が乗り込むが、ポンプ車が先着した時でも患者の搬送は救急車が行う。 PA連携は95年の阪神大震災後、神戸市が試行したのが始まり。救急要請の増加で現場到着までの所要時間が長くなる中、救命率アップにつなげようと各地の自治体に広がり、09年時点で約6割の消防本部が実施している。消防庁がPA