大阪地検堺支部が昨年11月、知的障害を持つ元被告男性(29)について「自白の信用性の立証が難しい」として現住建造物等放火罪などの起訴を取り消し、釈放した問題で、元被告は12日、無罪なのに326日間身柄を拘束されたとして、国が刑事補償約400万円を支払うよう大阪地裁堺支部に請求した。 請求などによると、元被告は2009年12月に大阪府貝塚市の長屋にライターで放火したなどとして昨年1月に起訴された。元被告は捜査段階で放火を自白したとされたが、同地検堺支部は元被告には妄想を交えて話す傾向があるとして公判前に起訴を取り消し、地裁堺支部が公訴棄却を決定した。 請求額は元被告の逮捕・勾留日数に刑事補償法上の1日当たりの上限1万2500円を乗じて算出した。公訴棄却の場合の刑事補償は、仮に判決に至っても無罪になったといえることが条件とされる。