犯人が刑を逃れてしまうのは困るが、 罪を犯していないのに犯人にされるのは、もっと困る。 犯人扱いされるとなかなか逃れられない日本の司法の実情。 ●有罪にしないと「業績」が悪くなる裁判官 少し前に、誰もが名誉毀損の被害者になりうるのと同様、加害者にもなりうると書いた。『現代刑法入門』(有斐閣)という本を開いたら、冒頭に「あなたも犯罪者」と書かれていた。 名誉毀損の加害者どころか、簡単に犯罪者にもなるというわけだ。 人とぶつかってかすり傷を負わせれば過失傷害罪だし、道で500円玉を拾ってそのままポケットに入れれば占有離脱物横領罪。マージャンで現金をやりとりすれば賭博罪。学校をさぼって連日やっていれば常習賭博罪‥‥など「あっというまに犯罪者」の例が列挙されている。 このように実際に「罪を犯す」ことはなくても、犯人にされてしまう冤罪事件が相次いで発覚している。富山県では、強姦事件で服役し仮出所後に