理化学研究所発生・再生科学総合研究センターの研究室で、山梨大の若山照彦教授(左)と言葉を交わす小保方晴子研究ユニットリーダー=神戸市中央区 新たな万能細胞「刺激惹起(じゃっき)性多能性獲得細胞(STAP(スタップ)細胞)」を作製した小保方(おぼかた)晴子さん(30)は2011年3月、不安を募らせていた。研究員として米ハーバード大に戻る予定が、東日本大震災の影響で米国での就労ビザがいつ手に入るか分からない。頼ったのは現在の所属先で、神戸市中央区にある再生医療の拠点、理化学研究所発生・再生科学総合研究センターだった。震災が大きな岐路となった。 当時、同センターには現山梨大教授の若山照彦さん(46)がいた。以前、共同で研究したことがあり、震災直前に会った時の「困ったことがあったらうちにおいで」という言葉が頭に浮かんだ。思い切って「困ったので明日から行ってもいいですか」と連絡を取った。 これがきっ