植本一子(うえもと・いちこ) 1984年、広島生まれ。写真家、作家。2003年にキヤノン写真新世紀で荒木経惟から優秀賞を受賞。著書に『働けECDーわたしの育児混沌記』『かなわない』『家族最後の日』『降伏の記録』『フェルメール』など。 自分の中で流れている時間、その瞬間の感覚を大切にした ――この本は日記形式になっていますが、一冊の本としてまとめるためにどのような調整をしたんですか? 本にするためにつじつまを合わせるような調整は特にしませんでした。文章的に気になるところは直しましたけど。この本は雑誌「文藝」の連載「24時間365日」と「トーチweb」の連載「行けたら行きます 15~20」をくっつけたものなんです。もともと編集さんからは「私の中で流れている時間を大切にしてほしい」と言われていました。一日ごとの特異性、例えば昨日「嫌い!」と思ったことが今日は「好き」となっても良いというか。誰しも