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ブックマーク / note.com/nyapoona (13)

  • 侵略するライト文芸と嘘の庭|nyapoona

    大阪大学感傷マゾ研究会のペシミ氏が提唱する「ブルーライト文芸」が話題になっている。 ブルーライト文芸とは、スターツ出版文庫に代表されるキラキラしたエモいイラスト表紙の、「難病」「田舎」「恋愛」などを題材としたライト文芸のことと定義されている。 記事内で阪大感傷マゾ研究会のペシミ氏は「今のライトノベルは、中高生に売ることを諦めているように感じます。タイトルもセンシティブで、学校では読めないものも多い。(中略)ライトノベルが吸収できない層をライト文芸が吸収している側面はあって、中高生が自分に共感できるものを求めていった結果、ライト文芸が盛り上がりつつあるのではないかと思います。」と語っているが、実際のところライト文芸/ブルーライト文芸的作品のライトノベルレーベルからの発売は精力的になりつつある。 代表的な例としてはガガガ文庫がある。 アニメが海外では高い評価を得た『夏のトンネル、さよならの出口

    侵略するライト文芸と嘘の庭|nyapoona
  • 今年読んだ本ベスト5|nyapoona

    気がつくと年の瀬です。 皆様いかがお過ごしでしょうか。 とは言ってももう一日しかないので急いでベスト5(ヘンな5選ともいう)を作る! 今年もあったぞヘンなが! ヘンなしか読んでない気がするけど! 今年はPV数を稼ぎたいという姑息な意図のために個別感想があるものについてはリンクを貼っておきます。 一応順位はつけない方針なので順番に意図はありません。 というわけでしばしお付き合いくださいませ。 これを読まずして今年のロボットラノベは語るなかれ

    今年読んだ本ベスト5|nyapoona
  • 春夏秋冬代行者の読者にド直球メフィスト賞ミステリを読ませようとしてくる四季大雅『ミリは猫の瞳に住んでいる』|nyapoona

    みなさんこんにちは。 昨年衝撃的なデビューを果たし、「これはラノベとして出すべきではなかったのか」と論争を呼んだ四季大雅の2作目となる電撃金賞受賞作『ミリはの瞳に住んでいる』が刊行されたので、読みました。 デビュー作の『わたしはあなたの涙になりたい』が極めてライト文芸的作風(とそういったものへの毒)だったため、電撃受賞作である作もMW文庫に割り振られることが予想されていましたが、実際の割り振りは電撃文庫でした。(電撃大賞は受賞後、電撃文庫かMW文庫かに割り振られる) 最大限。最大限、電撃の編集部に寄り添った解釈をするなら、『春夏秋冬代行者』の読者に男女恋愛ものとして読ませたいのでは?と思って電撃文庫に割り振られた……のかもしれませんし、あらすじもこう、男女恋愛特殊設定ライトミステリになってるじゃないですか。 それで、実際に読んだ感想としては、 メフィスト賞やんけ~~~~!!! 出来不出

    春夏秋冬代行者の読者にド直球メフィスト賞ミステリを読ませようとしてくる四季大雅『ミリは猫の瞳に住んでいる』|nyapoona
  • 名興文庫のラノベ炎上芸について思ったこと1|nyapoona

    この文章をアップするのは非常に懊悩した。 これを読んだ天宮さくら氏(コラムの筆者)が傷ついて「侮辱罪だ! !」「誹謗中傷だ!」と言うのはとてもつらいことなので、「心のうちに仕舞っておこうかな」と思っていた。 だが、実際に名興文庫のを買って読んだら「何か書かなければならない」という気持ちになった。 450円支払ったんだから、その分の感情は吐露してもいいはずだ。 そう思って、キーボードを叩いている。 名興文庫という自称出版社の同人サークルが、ライトノベル批判を展開し、ネットの一部で話題になっている。 発端となったのは、「ライトノベルとは何か?」という公式HP内の記事であり、特に「ライトノベルばかり読んでいるとバカになる!」「なろう系を子供に読ませるな!」「ライトノベルは翻訳すると面白くなくなるから海外展開が難しく、滅ぶ!」といった主張がやり玉に挙げられた。 インターネットではほぼ同時期に「

    名興文庫のラノベ炎上芸について思ったこと1|nyapoona
  • このライト文芸がすごい!2023|nyapoona

    というわけで、このライト文芸がすごい!2023をお送りします。 ライト文芸のランキングは出ていないので、インターネット上での企画となりますが、当にランキングは出て欲しいぜ。(2023からライト文芸コーナーが消えたのは「そういうこと」だと思ってよろしいか) なお、2023にも投票参加しています。 気になる人はチェックして、何に票を入れたのか見てみてください。

    このライト文芸がすごい!2023|nyapoona
  • 今年のライト文芸4大ニュース|nyapoona

    1.電撃文庫のライト文芸復刊ブーム到来 『Missing』『ミミズクと夜の王』の復刊の大ヒットによって、「旧作ライトノベルの復刻は売れる」という確信がAMWに出来たのか、『タイム・リープ』『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』など続々と電撃文庫の過去作がライト文芸として復刊されるようになりました。一世を風靡したのに復刻版が事実上自費出版に近いブラックロッド…… 今後は、MW文庫の看板作家になった松村涼哉のデビュー作である『ただ、それだけでよかったんです。』、直木賞作家のデビュー作である『東京ヴァンパイアファイナンス』あたりがライト文芸復刊されそうです。 2.ガガガ文庫・スニーカー文庫のライト文芸路線格進出 ライト文芸的作風の作品を純ライトノベルレーベルが刊行するケースが増えたのも今年でした。 特に動きが顕著だったのは『わたしはあなたの涙になりたい』『サマータイム・アイスバーグ』『琥珀の秋、

    今年のライト文芸4大ニュース|nyapoona
  • さっきまで講談社キャラクター文庫だったものが辺り一面に転がる|nyapoona

    皆さんは講談社キャラクター文庫というレーベルをご存じでしょうか? ライトノベルやライト文芸やジャンル小説を主に読んでいる層にはなかなかピンと来ないレーベルかもしれませんが、仮面ライダーやスーパー戦隊や女児アニメなどのノベライズを専門に出しているレーベルです。 仮面ライダーやスーパー戦隊といっても、内容は大人向けのものが多く、挿絵も一切ないためだいたい全部大きなお友達向けです。 TVシリーズの脚家直々の執筆が多く、編では語られなかったキャラ達の活躍が読めたり掘り下げがなされたりと人気を呼んだレーベルでしたが、2021年刊行の「ジオウ」を最後に刊行は途絶え、twitterアカウントも開店休業状態です。 講談社キャラクター文庫の魅力 では、講談社キャラクター文庫の魅力とはなんだったのでしょうか。 まず、TV編の脚家直々の執筆であるところが挙げられます。 こうしたノベライズものは知名度の低

    さっきまで講談社キャラクター文庫だったものが辺り一面に転がる|nyapoona
  • わざわざ二見ホラー×ミステリ文庫を潰す人間なんていない。|nyapoona

    二見ホラー×ミステリ文庫というレーベルがある。 これは昨今の特殊設定ミステリブームを受けて創設されたレーベルで、その名の通りホラーとミステリを出している。 この二見ホラー×ミステリ文庫だが、現在廃刊の危機にある。 最終刊行が2022年の6月で、それ以降新刊および新刊予定が出ていないのだ。 今は大特殊設定ミステリ時代なのにどうして……と思うかもしれないが、主要因としては「肝心要の特殊設定ミステリを四六判単行に全部スライドさせてしまった」ことが考えられる。 ホラミス文庫から単行へスライドされたミステリ作品としては『私はだんだん氷になった』『氷住灯子教授と僕とYの世界』『みんな蛍を殺したかった』『無邪気な神々の無慈悲なたわむれ』などがあり、こちらは現在もコンスタントに出続けている。 が、その結果として、ミステリ要素が全部単行に吸い取られてしまい、ホラミス文庫は単なるホラー文庫になってしまっ

    わざわざ二見ホラー×ミステリ文庫を潰す人間なんていない。|nyapoona
  • ライト文芸オール・タイム・ベスト50選|nyapoona

    ライト文芸のオール・タイム・ベストを作ろうと思う。 何故ならライト文芸には「このライト文芸がすごい!」のような評価やリストアップを行うものは全く存在せず、とりあえず新刊を片っ端から消費していくような状態が続いているからだ。 しかしそれはあまりにも勿体ない。 ライト文芸にも、「語り継がれるべき名作」というものはあると思うからだ。 だから私はライト文芸のオール・タイム・ベストとして50冊を選ぶことにした。 ピックアップした作品は売れ線定番から、悲しいことに埋没してしまっている作品まで様々だが、面白さは保証したいと厳選に厳選を重ねた。 ここに挙げられた50冊のうち、どれかひとつでも心に刺さるものがあれば幸いである。 1.辻村七子『螺旋時空のラビリンス』

    ライト文芸オール・タイム・ベスト50選|nyapoona
  • ヤンキーラノベ『純白と黄金』について|nyapoona

    HiGH&LOW以降のラノベこと『純白と黄金』を読んだ。 大々的な宣伝に比しての面白くなさでラノベ界隈からは大不評、というか炎上しているような気がする作だが、個人的にはまあ、ありじゃないかというポジションです。 「人の預り知らないところで肥大化し手に負えなくなった伝説といかにして向き合うか」というテーマは奇しくも『スターウォーズ 最後のジェダイ』と通じる部分があるし、敵ヤンキーの同性同士の巨大感情とか良かったと思う。 あとヒロインかわいかったですね。 でもわざわざ「最後のジェダイ」を引き合いに出していることから何となく察せられる通り、あまり軽率に人に勧められるような作品ではないだろう。 こう、素人目に見ても文章が壊滅的にダメ(どこがダメかというと、バトル描写の語彙があまりにも貧弱でつまらない)だし、ヤンキーの描き方がハイローやクローズのそれというよりニンジャスレイヤーじゃねーか! 20

    ヤンキーラノベ『純白と黄金』について|nyapoona
  • このライト文芸がすごい!2022(nyapoona)|nyapoona

    よっちさんがあげている「このライト文芸がすごい!」のnyapoona版です。 このラノと同じく5作挙げてみました。順位順ではありません。 流石に文庫だけでやろうとしたら結局ソフトカバーが入ってしまったのはご容赦ください! 1 放課後の嘘つきたち

    このライト文芸がすごい!2022(nyapoona)|nyapoona
  • セクシャルマイノリティをテーマにした『ミモザの告白』の感想と注意喚起|nyapoona

    この作品は保守的価値観が支配する地方都市に住むセクシャルマイノリティの少女の青春を描いたもので、(作者のこれまでの作品もそうですが)ライト文芸的な色合いが強いです。 まず前提にしてもらいたいのが、「作者はセクシャルマイノリティに対する悪意はなく、きちんと勉強してこの作品を書いている」というところです。 セクシャルマイノリティに対する差別や偏見を肯定的に書いているわけではないし、実際ジェンダー問題を取り上げた作品としての現状の完成度は高いと思います。 しかし、それを踏まえたうえで、かなり気の注意喚起をしなければなりません。 自分の性に悩みを抱える人は、このを読む際には非常に注意が必要です。 この先、『ミモザの告白』の内容(セクシャルマイノリティに対する差別・暴力描写を含みます)に触れますのでご注意ください。 何故そんなことを言わなければならないのかというと、『ミモザの告白』が「セクシャル

    セクシャルマイノリティをテーマにした『ミモザの告白』の感想と注意喚起|nyapoona
  • 少女小説ガイドはジャンルのお葬式だった|nyapoona

    過去の名作とライト文芸やライトノベルから無理くり寄せ集めてみました感の強い選書といい、まさしくお葬式のスピーチ文めいたコラムといい、全体的なムードがそうとしかいえない。 コバルト文庫実質廃刊の時に少女小説が滅んだのをみんなわかっていたと思う。これはその時に大往生した少女小説を振り返って天国へ送り出す悲しいだ。 なんでこんなに怒っているのかというと、少女小説が事実上滅んだのをわかっていながらそれを認めず、活きのいいライト文芸やライトノベルに群がって名誉少女小説認定してしまうこのの態度がゾンビのようでみっともないからだ。 私は少女小説の、あまり良い読者ではなかった。十二国記とかリリミスとか、後はライト文芸へ「越境」した作品をいくつか読んでたくらいで、読書活動のメインフィールドはライト文芸な訳なのだけど、メラメラと燃える火の粉をライト文芸まで撒き散らさないでほしい。 ライト文芸や悪役令嬢は

    少女小説ガイドはジャンルのお葬式だった|nyapoona
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