悪夢が現実となる兆し 昨年末に、日韓両政府が電撃的な合意に達した旧日本軍の従軍慰安婦をめぐる問題(いわゆる「慰安婦問題」)。四半世紀にわたって日韓間の政治的課題として横たわり、最近では日韓関係における最大の懸念と位置づけられていた。それだけに、日韓政府による協議が「最終的かつ不可逆的な解決」で合意したことには、多くの人が驚きを持って受け止めたはずだ。 それほど画期的な出来事だった。「日韓関係がトンネルから抜け出す光が見えてきた」。日韓ビジネスに携わる人から、そうした声が出るのも不思議はなかった。 だが、そうした期待の一方で、不安を抱いた人が少なくなかったことも間違いない。各紙の世論調査では、日韓合意を「評価する」と答えた人が朝日新聞で63%、産経新聞で59・7%に達しており、全体で6割程度の支持を受けていることが読み取れる。興味深いのは、産経新聞の世論調査にあった「慰安婦問題が再び日韓で懸