業務遂行能力をチェックせずに委託した日本年金機構も、できもしない業務を受注したSAY企画も、どっちもどっちだろう。年金情報のデータ入力業務を、契約に反して中国の業者に再委託していた問題。 あらましはこうだ。 SAY企画は、1300万人分のデータ入力を約800人で作業するとして業務を受注。ところが実際には百数十人しか集まらず、結局、同社の切田精一社長(62)が役員をしていた中国・大連の業者に500万人分の入力を再委託し……。 切田社長は「(中国の業者を)グループ会社のように考えていた。認識が甘かった」などと釈明していたが、認識以前に見通しが甘すぎるというほかない。社員や元社員による日本最大級の企業情報口コミサイト「カイシャの評判」に、同社の元社員、30代男性を名乗るこんな書き込みがあった。 「官公庁の案件が中心のため、一見安定性はあるかに思えるが、案件を受注するだけ受注し、それからどうするか