新型コロナウイルス感染者の急増で、政府・自治体が混乱しています。医療機関の逼迫を危惧して警戒レベルを引き上げると飲食店などから「今度こそもたない」と悲鳴があがり、Go To トラベル延長の方針には、観光地を抱える地域で感染拡大の不安が広がりました。 これが「感染抑制」と「経済活動」のトレードオフ(ジレンマ)で、どちらかを優先するともう一方がうまくいかなくなります。一時は日本と同水準まで感染抑制に成功したヨーロッパ諸国はこの罠にはまり、夏のバカンスシーズンの営業を優先したために感染が急拡大し、次々と再ロックダウンに追い込まれました。 こうした惨状に陥ったのは、当初、感染者増でも入院患者/死者数がほとんど変わらず、経済への悪影響を恐れて感染抑制策を躊躇したからだとされます。「検査数が増えている」「治療情報が共有された」「ウイルスが弱毒化した」などさまざまな説が唱えられましたが、感染が爆発的に拡