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ブックマーク / georgebest1969.typepad.jp (11)

  • 近藤誠氏との対峙の仕方

    以下、記憶を頼りに書いていて、裏を取っていないのでまちがってたら教えてください。 近藤誠氏と当時のがん治療のオピニオンリーダーたち(外科医)の論争を読んだのはぼくがアメリカで内科研修医をしていた1990年代後半だったように思う。 近藤氏はがんもどきの存在を主張し、なんでも切ったり化学療法をするのは間違っていると論じた。根拠となる臨床試験も参照していた。一方、当時の外科医たちは実験医学と経験主義ばかり。「切ってる俺達がちゃんと仕事してんだから文句言うな。くじ引き試験?患者で実験する気か。エビデンス?なんだそれ?」って感じで、全然議論が噛み合ってなかった。 近藤氏の意見は理路整然としていたが、当時の外科医たちはひどかった。アメリカにいたぼくはエビデンスエイスドメディシンをバリバリ学んでいたが、日の医療界は数周時代遅れに見えた。日のがん領域のトップってどうしてあんなに、、、、と大いに失望させ

    mobanama
    mobanama 2022/08/15
    "自分の言葉に耳を傾けないものの言葉など、どうして聞く気になれようか。あのとき、近藤氏と学術界が真摯に謙虚に誠実に対話していれば、今のような悲惨は回避できていたと僕は思う"
  • 「感染症は実在しない」あとがき

    昔書いた「感染症は実在しない」を集英社から仕立て直して出してもらうことになりました。「あとがき」を追記したので、どうぞ。 英国がCOVID-19対策で、他国と異なる対応を取ると表明したとき、世界は驚いた。国民の多くにあえて感染を許容させ、集団免疫をつけさせようというのだ。かなりの「奇手」と思った(英首相の「降伏」演説と集団免疫にたよる英国コロナウイルス政策(小野昌弘) - Yahoo!ニュース [Internet]. Yahoo!ニュース 個人. [cited 2020 Mar 19]. Available from: https://news.yahoo.co.jp/byline/onomasahiro/20200315-00167884/)。 ところが、事態は二転三転する。この感染許容策に多くの専門家が批判を寄せた。議論が繰り返され、結局、英国は他国同様、保守的で「普通の」感染対策を行

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    mobanama 2020/03/20
    ”日本政府の歴史的弱点はプランAを作ってしまうと、そのプランにしがみつき、その誤謬を認めてプランBに方針転換ができない点にある”
  • COVIDと対峙するために日本社会が変わるべきこと

    おはようございます。走ってきました。週5回は朝走るのですが、このときreflectionをします。昨日見たもの、書いたもの、語り合ったこと。Reflectionの時間は非常に大事でただただ実務だけやってるとすぐにアイデアが枯渇します。あと、休養、運動、栄養、そして笑いはとても大事です。 さて、日お伝えしたいことは結論だけ言えば以下のことです。多くの専門家も同じようなことを言っていますから特にオリジナリティはありません。 1.風邪をひいたり体調を崩したら家で休む。社会もそれを許容する。 2.しんどくなったらマスクを付けて速やかに病院を受診する。しんどくなければ必須ではない。しんどさの基準は個人差があるので個々の判断で。 3.自宅に家族がいれば、病気の人はマスクを付けて、神経質に何かに触るたびに手指消毒をする。何度でも。 4.仕事や学業を効率化する。人が集まらねばならない会議は最小化してメー

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    mobanama 2020/02/17
    "初期は軽症なので受診動機が小さい。よって、「発症から受診までの時間が長くなりやすい」傾向""自宅に家族がいれば、病気の人はマスクを付けて、神経質に何かに触るたびに手指消毒をする。何度でも"
  • 結果を出すということ(COVID対策)

    昨日、風邪の人は自宅で安静に、という話をしました。その根拠も示しました。 このことは、COVIDの数を全数把握する意味はない、ということを意味しています。風邪の数を数えても得るものは小さいからです。もちろん、数の推計は技術的に可能かもしれませんし、風邪の経済的損失も無視できませんが、さしあたりその問題は相対的には大きくない。 さて、すべての感染対策は「うまくいった」「いかなかった」の基準が必要です。日のCOVID対策は、中国以外で世界で最初に地域内クラスターを多発させ、(おそらくは)クルーズ船内での二次感染を許容しました。現段階では「当初の予定通り」とはとても言えません。来ならば、世界各国に歩調を合わせて二次感染の発生を追跡可能な範囲に止め、クルーズ内2次感染は許容してはならなかったからです。 昨日も書きましたが、感染対策はうまくいったりいかなかったりします。100%完璧にやる、という

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    mobanama 2020/02/17
    "日本のCOVID対策がうまくいくかどうかは、COVIDの死者を少なく出来たかどうかにかかっています。その前提は正しい診断です""クルーズ船と和歌山、そして現在起きている東京のクラスターの詳細な分析と情報公開が今すぐ"
  • 理念と現実 アメリカと日本を比較する

    いくつかの日の学会をはしごしたあと、アメリカの感染予防学会(とでも訳すのかな?APIC)に来ている。それにしても、梅雨の日から来たのに、Fort Lauderdaleはあづい。むしあづい。 ぼくは学会ってあまり好きではないので普段は行かないのだけど、薬剤師の向井さんが発表するのでカバン持ち、、、じゃなくて、後方支援である。薬剤師さんやナースが国際学会でどんどん発表するのはとてもよいことだ。それをエンカレッジするのは教員の責務である。神戸大学の教員、職員がノリノリで研究し、病院をよくしていく雰囲気を作っていくのが僕らの責任。足を引っ張るのは言語道断だ(大学ってなんでこう他人の足を引っ張るのが大好きな人が多いんでしょうね。寂しいからでしょうね)。 さて、プレナリーを聞いていて、APICの面々が医療関連感染を減らすぞ、APICの存在価値をパブリックに示すぞ、結果を出すぞ、と崇高な宣言を多々聞

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    mobanama 2013/06/18
    "アメリカの学会では「どうあるべき」がまず最初に来る。理念を先に語る。日本では「うちの病院はいまこんな感じです」という現状説明ポスターがずらりと並ぶ""そこには未来がない"
  • HPVワクチン「積極的な勧奨一時中止」を評価する

    昨日、厚労省の検討部会が開かれ、2種類のHPVワクチン接種の「積極的な勧奨を一時中止」する決定がなされた。ただし、公費負担は続けるという。 なんだかよくわからない決定だなあ、と思った人は多いだろう。「なんだかよくわからない」については同意である。 でも、ぼくはこの判断を由とする。 ワクチン推進派は、すぐに2005年の日脳炎ワクチンの問題を想起したであろう。ADEMと呼ばれる中枢神経疾患の副作用が「懸念」され、その時点で「積極的な勧奨を一時中止」という事態になってしまった。それは2010年まで続けられ、日人の抗体保有率は激減、日脳炎発症数も増加した。あきらかに厚労省の失政である。ADEMとの因果関係は不明なままだが、その発生頻度(15年間で22例)、予後(小児のADEMはほとんどが軽快、死亡記録は文献上はなく、あってもまれと考えられる)を考えると、原疾患とのバランスがとれていないからだ

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    mobanama 2013/06/17
    "数ヶ月程度ならば、だ""それをやるからには、キャッチアップワクチンのしくみをきちんと作り、この遅れがネットとしての接種率低下、さらには将来の疾患増加に寄与しないようにしてほしい"
  • 漢方とエビデンスの地平

    御礼。 書は大変面白く読ませていただいた。ただ、どうも日の漢方診療のトップランナーたちはEBMあるいはエビデンスについて、根的に誤解しているように思う。 要するに、EBMにおいてWhyとかHowとかはどうでもよいのだ。大事なのは、What, How much, How many, Which といった「ぶっちゃけ」な問題ばかりである。EBMは「なんでそうなるの?」というタイプの疑問には常に沈黙する。その答えるところは、(理由はよく分かんないけど)「どちらの治療がベターか」「何が最適な選択しか」といった、ぶっちゃけな回答ばかりである。 それは、実は漢方診療に親和性が高い。複数の生薬(そして背後にはさらにたくさんの化学物質)が絡む漢方診療において「なぜじゃ」「どうしてじゃ」といった間寛平的疑問に答えるのは困難である。でも、実はEBMもそうであり、EBMが「なぜじゃ」「どうしてじゃ」と

    漢方とエビデンスの地平
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    mobanama 2013/05/22
    "漢方医学が西洋医学におけるボーダーラインでストラグルする、いわば「戦記」""EBMが「なぜじゃ」「どうしてじゃ」という疑問に答えることは稀有である。そこはどうでもよい。「結果」だけ示せば、よい"
  • 読売新聞らは被害者だったのか?

    iPS細胞を用いた臨床試験絡みの捏造問題で、読売新聞ら複数の報道機関が誤報した件が問題になっている。読売編集局長は「おわび」の文を発表した。 http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20121013-OYT1T00115.htm?from=popin しかし、 (引用)京都大の山中伸弥教授がノーベル生理学・医学賞を受賞することが決まった直後で、難治の病に苦しむ患者さんにとって「夢の治療」を身近に感じられる記事だったに違いありません。社には、読者の方から「心強く勇気付けられた」という声も届きました。(引用終わり) と、患者さんのニーズがあったから、やむを得ない事情もあった、、、、同情の余地あり的なニュアンスのコメントもあるし、 (引用)自ら紙記者に売り込んできた東大医学部付属病院特任研究員で「ハーバード大客員講師」を称 する森口氏は、口頭での発表を予

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    mobanama 2012/10/17
    "日本の科学記事は非常に質が低い。ryこの質の低さが今回のような事件の温床になったのである"げに。The guardianとかが多くの単語数を使って取りあげてるような記事も1カ月後に取り上げればましな位だもん
  • 楽園はこちら側

    海外事情」に寄稿した文章です。許可を得てこちらに転載します(初稿)。書いたのは昨年12月なのでデータはやや古くなりましたが、「総括」なので、内容は特に問題ないと思います。御覧ください。 緒言 日の新型コロナ対策を「総括」、すなわち総合的なパースペクティブからまとめようとしたものが過去に2つ存在する。一つは、書籍になった「新型コロナ対応/民間臨時調査会 調査・検証報告書」[1]であり、もう一つは、政府が招聘した新型コロナウイルス感染対応に関する有識者会議が出した「新型コロナウイルス感染症へのこれまでの取組を踏まえた次の感染症危機に向けた中長期的な課題について」[2]である。 しかし、前者はどちらかというと「証言集」に近く、やや厳しい言い方をすれば、「個人の感想」集であり、属人的なものだった。データ解析、ファクトの解析には乏しかった。後者については政府に依頼されて役人が突貫工事でまとめたも

    楽園はこちら側
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    mobanama 2012/09/20
    "80年代は冗談のように使われた化学調味料や農薬や除草剤"?
  • 福島の食品と内部被曝について再考する

    4月4日朝に(再度)訂正したものです。間違いご指摘に感謝します。 以下、放射線医学が専門でない内科医がまとめたものです。間違いがあったらご指摘ください。 まずは、放射線の内部被曝について考えてみましょう。福島県産のべ物は一切べるべきではないという意見があります。これについて検討してみたいのです。 放射線については(ぼくもふくめ)多くの方がたくさん勉強されたと思いますが、ここでもう一度おさらいしておきます。すでに基的な事項について了解されている方はここは飛ばしても構いません。 放射線は原子より小さな粒子線あるいは電磁波です。その放射線を出す能力を放射能といいます。放射能を持つ物質を「放射性物質」と呼びます。放射能の単位としてはベクレル(Bq)があり、これは1秒間に改変する原子核数を指します。いわば放射能の「強さ」の指標です。これに対して、被爆の単位としては吸収線量であるグレイ(Gy)と

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    mobanama 2012/04/07
    "大声で危険を過度に煽り、福島県の人たちに必要以上の苦痛(もうこれ以上ないくらい苦しんでいるはずなのに)を与えるのは良識ある大人の態度ではありません"(本筋では続く文章の方が重要)
  • 放射線の人体への影響に関する論考

    福島原発に関する報道があっちにいったりこっちにいったりして、分かりにくくなっている。原発という建築物そのものの安定性、耐震、対津波防御能、周辺地域の放射性物質のリスク、遠隔地の水や料のリスク、東京電力の構造やら癒着疑い、安全で間疑惑、社長が入院?したやらのゴシップ系のニュースなどが混在してしまっている。医者の僕にはこれらを議論する能力はなく、また(あんまり)興味もない。 僕が吟味したかったのは、「放射線」がもたらしうる健康被害である。 ここでは、自分の整理のためにも原発がもたらす(可能性のある)健康リスクについてだけ抽出してまとめた。ただし、僕はこの業界の専門家ではないので、「こうするべきだ」的なアドバイスはできない。この内容は各自の医療や安全の判断には責任は持てない(残念ながら)。 ただ、基準を超えるヨウ素がどこから見つかった、どこからプルトニウムが見つかった、みたいな報道を何十回聞か

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    mobanama 2011/04/04
    "その後生まれた9472人のフォローでは発症ゼロ。オッズ比は121である(Shibata Y et al. Lancet 2001; 358:1965)"ゼロ?
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