こま切れの借地が、主要な計画道路を含む開発用地の各所に入り組んで点在しており、NAAとの契約が、いわばプロジェクト全体の生殺与奪権を握っていることが分かる。もし契約の延長に失敗すれば、すでに遅れが懸念されている工事が、全面停止を余儀なくされる可能性も現実味を帯びる。 なぜ、ここに来てプロジェクトを揺るがす事態が発生しているのか。公表事実は少なく不明点も多いが、これまでに裁判資料の閲覧などで得た情報を交えて、その経緯をかいつまんで紹介してみよう。 度重なる工事遅延に態度を硬化 成田PJ の用地は、空港A滑走路の延長線上、約1kmの航路直下にある。特別法に基づく騒音対策の一環として旧空港公団やその後身のNAAが取得し、移転を希望する住民の便宜を図ってきた。一部が農地として貸し出された以外、荒れるがままに放置されてきた山林や原野である。 共生バンクが、この地の開発許可を成田市から取得したのは20
