羽田空港で日本航空(JAL)のJL516便(エアバスA350-900型機、機体記号:JA13XJ)と海上保安庁機が衝突した事故は、航空業界に衝撃を与えた。残念ながら海保職員5名が命を落としたが、JAL機の乗客367名、乗員12名の計379人が全員脱出できたことについては、国内のみならず海外からも「奇跡」などと驚きの声があがっている。 炎上する機内で乗客が騒然とする中、全員が無事に脱出できた背景に客室乗務員(CA)の的確な判断と冷静な指示があったことは各メディアで報じられている通り。CAが「保安要員」であることを改めて強く認識した人も多いはずだ。 羽田空港第1ターミナルの南側、東京モノレール・新整備場駅前に立つJALのオフィスビルに、「安全啓発センター」と呼ばれる場所がある。 520人の命が失われた1985年8月12日のJL123便墜落事故。JALはこの出来事を風化させてはならないという思い