日本のマンガが米国の書店の経営危機を救っている――。そう言われても、ピンと来ないかもしれません。しかし米アマゾン・ドット・コムの影響などで、一時は会社存続すら危ぶまれていた、ある書店チェーンが復活しようとしています。米書店チェーン最大手であるバーンズ・アンド・ノーブルです。同社は2023年、30もの新店舗を出店します。背景にあるのは、米国で広がる空前のマンガ人気です。 バーンズ&ノーブルの創業は1873年、日本式にいうと明治6年です。それからおよそ100年後の1971年、大学向け書店の創業者だったレナード・レッジオ氏に買収されてから、拡大路線を歩み始めます。93年には株式を上場。全米最大の書店チェーンへと上り詰めました。そして90年代から2000年代初頭にかけて大規模ショッピングセンター(SC)などに2万6000平方フィート(約700坪)前後のスーパーストアを続々と出店していきました。
