一般の運転手が自家用車を使って有料で客を運ぶ「ライドシェア」。世界ではすでにタクシーと並ぶ重要な交通手段になっているが、日本では過疎地域で例外的に容認されるのみ。昭和女子大特命教授・八代尚宏さんは「神奈川県はライドシェア方式を導入する案を発表しましたが、これは地元タクシー会社の独占事業で他の民間事業者を排除する方式だ」という――。 最近、菅義偉前首相や河野太郎デジタル相など有力政治家が導入検討を唱え始めた案件がある。「ライドシェア」である。 ライドシェアは、一般の運転手が自家用車を使って有料で客を運ぶ仕組みで、米国や欧州だけでなく、東アジア諸国でも、タクシーと並んで重要な交通手段になっている。一方、日本では、交通空白地域を対象とした自家用有償制度が非営利法人に例外的に認められているだけだ。 コロナの収束後、観光客の急速な増加により、大都市、特に京都などの著名な観光地でもタクシー不足が深刻化