上映終了直後の「魂の叫び」が忘れられない 本作は劇場公開当初の興行では苦戦をしていたものの、その内容におそれおののく人、いや熱狂的なファンをたくさん獲得し、連日Twitter(現X)のトレンドに入り続け、「脳を灼かれる」「囚ペジウム」「これは観てくれてありがとうの先払いの寿司です」などの名言を生み出していた。 そうした口コミの影響で、次第に満席に近い上映回も相次ぐようになり、多くの劇場で7週目になっても上映が継続した。合同誌(同人誌)の執筆者は総勢100名以上にのぼり、冬のコミックマーケットでは総勢19のサークルが同人誌を出すなどの人気を得ていた。 「トラペジウム」がそれだけの熱を帯びるのはなぜか、その理由の一端が分かる例がある。筆者が2回目を見たとき、友達と一緒に見に来たのであろう若い女性が、劇場が明るくなった瞬間にこう叫んだのだ。「もー! 主人公のこと嫌いになったんだけどー!」と。ただ
