免税店大手、ラオックスの業績が急激に落ち込んでいる。12日に発表した2016年1~6月期の連結決算は最高益だった15年12月期から一転して最終赤字に陥った。円高や中国経済の減速などで好業績を支えてきた訪日客の「爆買い」に急ブレーキがかかり、時計などの高額品が売れなくなった。羅怡文社長は「昨年が祭りのようなもので今が通常の状態」として、訪日消費の新たな動きに対応できる体制づくりを急ぐ。 「山の日」の祝日だった11日午後、同社の旗艦店であるラオックス銀座本店(東京・中央)を訪ねた。観光バスで銀座を訪れる団体客の立ち寄り先の定番ともなっている同店の店内は相変わらず中国語の会話が飛び交っていた。 しかし、大きな買い物袋を抱えた客は以前よりも少なく、何も買わずに出てくる姿も目立つ。手ごろな価格の腕時計と化粧品を買ったという中国人女性は「後は医薬品を買いたい」と話し、高額品を買うつもりはなさそうだった