【ワシントン=柿内公輔】米政府は12日、中国政府が不当にレアアース(希土類)の輸出を規制しているとして、日本や欧州連合(EU)と共同で世界貿易機関(WTO)に提訴する方針を固めた。複数の欧米メディアが報じた。13日にもオバマ大統領が提訴を発表する可能性がある。 AP通信などの報道によると、米政府はハイテク製品の製造に原材料として不可欠なレアアースについて、中国による輸出制限がWTO協定違反に当たるとみて、米国内のエネルギー関連産業に悪影響を与える懸念が強いとしている。 また米政府はこれまでも、レアアースの最大輸出国の中国の行き過ぎた規制が、「米国のみならず国際市場を混乱させている」として、中国側を非難。2011年8月には、輸出規制の撤廃を求める文書をWTOに提出している。 さらに、米国は日本や欧州とも共同して中国側に対応の改善を促してきたが、中国側に努力がみられないと判断し、提訴に踏み切る