ローカル線廃止が想定するデメリットについての考察は軽視されがちだ。廃止は日本の鉄道事業にとって本当に正しい選択なのだろうか。 コロナ禍で日本の鉄道事業者は、大きな打撃を受けた。 JR本州3社(東日本・東海・西日本)および大手私鉄がこれまで行ってきた、都市部などの高収益路線の利益を「赤字の地方圏路線(いわゆるローカル線)の維持」に活用する「内部補助」が限界を迎えている。 その結果、採算の合わないローカル線の廃止を進める必要性が言いはやされるようになった。 一方、ローカル線廃止により想定されるデメリットの検討は軽視されがちだ。果たして、廃止は、日本の鉄道事業にとって正しい選択といえるのだろうか。 いざ北海道浦河町へ浦河町の位置(画像:OpenStreetMap)「日本の公共交通をこれ以上衰退させないためにも、協力します」 旧日高本線沿線の北海道浦河町・池田拓町長は取材受諾の返答を寄せた。筆者(