「隣の芝生」バイアス ロゴフは「2%程度のインフレが望ましい」と書いているが、それが可能だとは書いていない。今回の金融危機で欧米各国の中央銀行はバランスシートを2倍以上にふくらませる極端な金融緩和を行なったが、デフレ状態のままだ。 ところが日銀の実務を知らないアマチュア経済学者に限って、日銀が大不況を一挙に解決できるかのような幻想を振りまく。他方、日銀は逆に「日銀は実体経済にあわせて受動的に金融調節をしているだけで、金融政策でできることは限られている」という。公平にみて、前者がナンセンスであることは明白だが、90年代前半の日銀にも逆のバイアスがあった。日銀にいる私の友人は、いくら利下げをしても不良企業を淘汰しないかぎり経済は回復しないと言っていた。 同様の現象はいろんな業界にあって、政治家や官僚はマスコミの影響力を「第一権力」として過大評価するのだが、マスコミの側は自分たちはただのサラ