【この記事のポイント】・水道管の老朽化などで給水車に頼る地域も・40年代には水道代を43%値上げする試算・雨水での自給自足や生活の場の集約も必要に蛇口をひねれば、いつでも水が出る。そんな日常が続かなくなるかもしれない。今のまま2050年になると、約6割の水道管が法定耐用年数を超す。使えなくなる恐れがある一方、維持管理する職員は減る。人口減と老朽化のはざまで、生活に欠かせないインフラを見つめ直すと
「未着手」 私たちが気になったのは国が公開するリストにあったこの記述だ。 リストは、9人の命を奪った笹子トンネル天井板崩落事故(2012年)を契機に義務化された橋などのインフラの点検結果をまとめたもの。 それによると、点検で「緊急に措置が必要」とされた橋のうち300以上が「未着手」。つまり、緊急度が高いのに手がつけられていない橋が各地にあるのだ。 一体、何が起きているのか。 現場を取材すると、日本のインフラが抱える構造的な問題が見えてきた。 記事には地図も掲載している。お住まいの地域の橋も確認して欲しい。
昨年、淡路島にある高さ100メートルの巨大観音像の解体が大きな関心を集めた。40年前に建立され観光スポットにもなったが、その後所有者が死去し、老朽化して危険な状態が続いていたためだ。日本には巨大な観音像がいくつも存在する。どう運営されているのか、長く安全に管理していくには何が必要なのか。日本の巨大観音の実像を取材した。(ノンフィクションライター・伊田欣司/Yahoo!ニュース オリジナル 特集編集部) 兵庫県の明石海峡大橋を車で渡り、淡路島を走ること約30分。国道28号近くで大規模な解体工事が進んでいる。高さ100メートルの「世界平和大観音像」の撤去作業だ。観音像は台風で外壁の一部が剥がれ落ちるなど、住民にとって危険な建物になっていた。 もともと観音像は、大阪で不動産業を営む男性が約35億円を投じ1982年に建てられた。当時は巨大仏像として日本一の高さを誇った。 男性は1988年に死去し、
群馬県にある「鳴瀬橋」。 長さ32メートルのコンクリート製の橋で、かつては車も通れる橋でした。 しかし、3年前から通行止めの状態が続いています。 これは北海道の「百松橋」。 こちらも車が通れる橋でしたが、今は車両通行止めに。 看板には「解除時期は未定」の文字が…。 実は今、こうした「渡れない橋」が各地で増えています。 国土交通省が調べたところ、自治体が管理する橋のうち、通行止めになっているのは2018年で2901。2008年は977橋だったのに10年間で3倍近く増えています。 背景にあるのが…そう「老朽化」です。 「コンクリートは永久構造物」「とにかく造れ」 そう思われていた時代がありました。 戦後の高度経済成長期です。 人口が増加する中で、私たちの暮らしを豊かにするために、「道路を造れ」「トンネルを掘れ」「橋を架けろ」という時期でした。 いわば“どんどん”造れや造れの時代。 「老朽化」や
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