日大アメフト部のタックル事件は、被害者が警察に被害届を提出する一方、実行犯の部員や前監督、コーチらが相次いで記者会見を行うなど、新たな展開を迎えている。今後の捜査や刑事処分の見込みを示したい。 【傷害罪の成否】 ボクシングのリング上で選手が殴り合いをし、相手を負傷させても、いちいち暴行罪や傷害罪には問われない。 刑法に次のような規定があるからだ。 「正当行為」と呼ばれているもので、「業務」といっても対価を得ているか否かではなく、反復・後続しているか否かがポイントとなるから、プロの選手だけでなく、アマチュアにも適用される。 要するに、ボクシングの試合の中で、かつ、ルールの範囲内で相手を殴る限りは、社会的に見て正当な行為であり、処罰に値するほどの違法性がない、と判断されるわけだ。 それに加え、ボクシングという競技の性質上、お互いに殴り、殴られることをあらかじめ承諾しているともいえ、その意味でも