ドル・円相場はトランプ氏の当選を受けて9日以降、急速に上昇し、先週末には一時1ドル=113円90銭と3月15日以来の高値を付けた。トランプ氏勝利なら保護主義の台頭を懸念して株安・円高になるとの大方の予想に反し、同氏の財政拡張策への期待から米国株は史上最高値を更新。米利上げペースの加速観測や財政悪化懸念を背景に米金利は急上昇し、ドル独歩高となる中で円安が進んだ。 先週末までの3週間のドル・円の上昇率は約10%と、1995年以降で最大となった。この間、ヘッジファンド勢は1月以来となる円の売り越しに転じた。一方、オプション市場ではドル・円のリスクリバーサルが、度合いこそ弱まっているものの、円買いオプションの需要が円売りオプションの需要を上回る「円コールオーバー」の状態が続いており、円の先高観測がくすぶっていることを示唆している。 みずほ銀行の唐鎌大輔チーフマーケットエコノミストは、大幅なドル高・