お金よりも承認が求められるいまの時代では、貯金残高よりも「いいね」の数に価値があるらしい。 TikTokで大量の現金を見せびらかし、自分がいかに裕福かを語る配信者には煽りのようなコメントばかりがつき、ギャンブルに負け続け、自らの借金を笑いに変える芸人には好意と賞賛のコメントが溢れる。 どちらに憧れるか、と問われて前者と答える人はほとんどいないだろうし、僕だってそうだ。 このアニメに出てくる女の子たちは、なりたい自分と周囲の目――「好き」と「承認」の間で苦しんで、創作活動に励みます。 いや、ひょっとすると本当の意味で「なりたい自分」を知っている人なんて、ほとんどいないのかもしれません。 リアルはなんだか息苦しくて、かといってSNSが自由で幸せなんてことあるわけないと知っている全ての人に送りたい現代劇を、どうぞよろしくお願いします。 ①「夜のクラゲは泳げない」TVアニメ化にあたっての意気込み