全国の中でも、とりわけ水道管の老朽化が進んでいる大阪市。1800kmという長大な管路を取り替えねばならないが、苦戦している。PFI(民間資金を活用した社会資本整備)を成功に導かないと、「水の都」と呼ばれた都市は漏水だらけで水没しかねない危機が迫る。 「業者がゆるくもうけられるのは絶対アカンぞと言い続けて、厳しすぎたんかなと思っています」。大阪市の松井一郎市長は2021年10月、記者会見でこう語った。水道管の更新事業について、PFIの方式で民間に委託しようとしたが、いったん頓挫してしまった。事業費で3750億円を上限としていたが、価格面での折り合いがつかなかった。