4月1日、東京・文京区に突如、謎のビルが出現した。黒壁で覆われた建物内へスーツ姿のイカツイ男たちが次々に入っていくが、看板は真っ白で(2枚目写真)、案内板には何の説明もない。 通行人がそろって訝(いぶか)しげに見上げるこの建物。実はこれこそ、このほど警視庁が創設した一大捜査拠点、通称「サイバービル」なのである。 「生活安全部サイバー犯罪対策課や公安部サイバー攻撃対策センターなど、警視庁の各部署のほか、警察庁の出先機関である東京都警察情報通信部を加えた計6部門が入っています。捜査員約500人が、この『サイバービル』に勤務しています」(警視庁関係者) 4月2日には開所式も行われ、吉田尚正警視総監が「東京五輪を見据え、総力を挙げて結果を出す」と決意表明した。創設の目的はもちろん、急増・多様化しているサイバー犯罪に対応すべく、各部署の連携を強化するためだ。 「なかでも、最も注力しているのは、今年1