アップグレードが実際にはダウングレードであるとは,どんな状況だろう。もちろん,アップグレードすると機能が削られる場合だ。これは,まさに「Office 2003」にサービス・パック「Service Pack 3(SP3)」を適用したユーザーが体験したことである。 Office 2003用SP3では,古いMicrosoft Office用ファイル形式(例えば「Office 97」以前で使われていた形式)の対応が打ち切られてしまった。現在こうしたファイル形式を必要とするユーザーは確かに多くないだろうが,Microsoftは事前に警告を出しておいた方が親切だった。 ただし,Microsoftには対応打ち切りのよい言い訳がある。同社のWebサイトによると,打ち切り対象となった古いファイル形式の対応は,「安全性が低く,危険をもたらす可能性がある」ことから「ブロック」している,と言うのだ。