セカイ系といわれる作品群がある。 エヴァンゲリオンがサブカルに多大なインパクトと影響を与えた結果、ゼロ年代に「ポストエヴァ」として世に出て行った作品群だ。 人により、世界系の解釈は分かれるものの「僕と私の物語が、社会を介さずに世界につながっていく」が一応の定義とされている。 代表作としてよく名前があがるのは、 秋山瑞人「イリヤの空 UFOの夏」、高橋しん「最終兵器彼女」、そして、新海誠「ほしのこえ」である。 かの時期にどうして、セカイ系は流行ったのか。そして忘れられていったのか。 ひとつには書き手の事情というものがある。 社会を経由せずに直接「あなたと私の物語」が「世界」に連結するのは書き手が簡単である。 もうひとつは受け手の事情である。そもそもが若年層対象コンテンツであり、社会構造そのものがわずらわしい世代にとって、 「君と僕。セカイはそれだけでいい。あとの難しいことは不要」という需要が