2020年のエンターテインメント業界の最大のトピックスは、『鬼滅の刃』の一大ブームだろう。10月16日に全国公開した「劇場版 『鬼滅の刃』 無限列車編」は空前の大ヒット、映画興行歴代最高の『千と千尋の神隠し』の316億8000万円を超えて19年ぶりに記録更新する快挙となった。 「ハリウッド大作映画激減」の懸念 『鬼滅の刃』のヒットは関係者やファンだけにとどまらず、日本のエンターテインメント業界に明るさをもたらした。新型コロナ感染症の広がりで打撃を受けるなかでの記録破りのメガヒットが、エンタメに対する前向きな気持ちを世にもたらしたからだ。影響はエンタメ業界だけに限らない。日本経済新聞の報道によれば、ダイドーコーヒーやくら寿司などの数多くのタイアップは絶好調で、『鬼滅の刃』の経済波及効果は少なくとも2000億円以上とのことだ。 ただ映画業界の現状をもう一度よく見てみると、『鬼滅の刃』の効果があ
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